ピアノの祖先はダルシマーという楽器だと言われています。

ダルシマーは11世紀に中近東からヨーロッパに伝えられた楽器とされていますが、台形の共鳴箱に弦を張ったもので、小さい槌で弦を打って音を出す仕組みです。

 

鍵盤を叩いて鳴らすので、打楽器的要素を備えていることからもダルシマーが最も近いと言われているのです。

 

「音楽用語辞典」に記載される”ピアノ”は鍵盤楽器に分類され、以前から存在するハープシコードと比べて、強弱を自由にできることからつけられた「ピアノフォルテ」が名前の由来とされます。発明された当時は”ピアノフォルテ”とも呼ばれていたようです。

クラヴィコード

14世紀のルネサンス期には、「クラヴィコード」という楽器が生まれました。鍵盤を押すと、真鍮の棒が弦を打ち、振動を起こさせて音が出るという仕組みで、音域は4〜5オクターブでした。

 

見た目の形がピアノに似てきたのが、1500年ころにイタリアで生まれた「チェンバロ」です。鍵盤を押すと、細長い棒状の爪が弦をはじいて音がでる仕組みで、フランスやドイツ、フランドル、イギリスに広く普及しました。

 

弦や響板などの機構や、見た目のかたちは現在のピアノに近くなっています。しかし音は現在のピアノとは異なります。ピアノの音が”ポーン”なら、チェンバロは”チーン”というふうに聞こえます。

 

また、チェンバロはピアノの叩いて音を出すのと異なり、爪で弦をはじくことによって音を出す仕組みなので、ギターや琴に近いともいえます。

クリストフォリ

現在のピアノにより近い原型をつくったのが、イタリアのクリストフォリ(1655〜1731)です。
チェンバロの音に強弱をつけるため、爪で弦をはじく代わりにハンマー仕掛けて弦を打って音をだす方法を取り入れました。このメカニズムが現在のピアノにつながるものとされています。

 

弱音も強音も出せるチェンバロということで、「クラビィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」と名付けました。この名前が短縮されて”ピアノ”と呼ばれるようになりました。

 

当時は貴族たちが、自分のための独自の楽器を持つことがステータスとなっていたことから、フィレンツェのメディチ家が、仕えていたクリストフォリにチェンバロの改良を依頼してできたのがピアノだとも言われています。

 

しかし、当時のピアノはあまり出来が良くなく、多くの人が改良にたずさわって現在に至っています。